後日乗

ごにちじゃう Life After Tuck in Tokyo

米国Dartmouth College, Tuck SchoolでMBAを取る過程を
365日x2年余すところなく記した「ダートマス日乗」
帰国後 東京における日々を「後日乗」として 再び記す
(副題としてはあまりに長い)
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知覧訪問顛末記: その1
知覧、である。
二年半ぶりの訪問だ。

今回の知覧は、あるきっかけで一堂に会した、
日本を愛する9人の仲間達(題して「志士の会」)と一緒だ。

メンバーは、
・政治家浪人中・田沼氏、
・仕事とルックスが不一致・熊野社長
・どエム・Mac
・精神的支柱・渡邉氏
・真のヘンタイ・柿沼社長
・ウチナンチュー・仲村氏
・独身・井川社長
・謎の男・N氏
・そして私
の9人である。

以下は、今回の強行軍となった知覧訪問を、
記録に残す意味で綴った顛末記である。

非常に長いので興味のある方のみお読みください。

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一日目:12月7日

1400
JR指宿枕崎腺の平川駅に到着。何もない、田舎の駅。鹿児島市内在住の友人S氏の車に乗せてもらい、知覧へ向かう。二年半前にも同じ車に乗せてもらい、家族で知覧に来たことを思い出す。


↑快晴の平川駅

1510
30分弱走って知覧に到着。
特攻平和会館に隣接する「さくら館」にチェックイン。
集合1530であったため、既に多くのメンバーが到着しているかと思いきや、先着は田沼氏のみ。時間内到着は2名のみ。
「遅い!」と思ったが、自分自身の作った「旅のしおり」を見返し、設定スケジュールがそもそも無理であったことに気づく。S氏と田沼氏と三人でさくら館一階でコーヒーを飲む。夕景美しい。
S氏の祖父は、二人とも比島沖で戦死し、叔父は戦闘機乗りで足を負傷していたとのこと。

1620
S氏が帰ったあと、宿のおばさんにお願いして風呂を入れてもらい、一番風呂に入る。幸福至極なり。宿のおばさん方、徹頭徹尾良い人であった。

1700
風呂からあがったところへ、吾らが支柱渡邉氏と仲村氏が同じバスにて到着。いつもと違って渡邉氏の様子がおかしい。体調が悪そうだ。
仲村氏曰く「あまりにエネルギーがなくて、別人かと思った」とのこと。その理由は、夜につまびらかになる。

1720
「昨日から風呂に入っていない」という渡邉氏は入浴し、仲村氏と二人で平和会館脇の護国神社に詣でる。仲村氏、四回の柏手のあと祝詞をあげる。何となく冒しづらい空気あり、一歩下がって待つ。仲村氏の祝詞終了後、二礼二拍手一礼にて。

1750
一階の座敷にある食事会場へ。

1800
Kさん登場。Kさんは、陸軍知覧基地の特攻隊と戦隊(直掩・誘導部隊)のお世話をした知覧高女の「なでしこ隊」のメンバー。

小さなかわいらしいおばあちゃん。挨拶をしているところへレンタカー組登場。熊野氏・Mac・井川氏・N氏・柿沼氏。これで全員揃った。いよいよ、始まりなり。

1805〜
ビデオをセットし、一階の座敷にて、Kさんの話が始まる。
時に激しながら、涙を流し手を震わせながら、話をされる。
印象に残ったことは、下記のような言葉。

・日本は堕落してしまった。成人式などの映像を見ると情けなくてすぐ消す。
あの人たちは何のために死んでいったのかと思う。
あの当時の日本に戻してくださいとは言わないが、10分の1でも戻して欲しい。
・当時のことを思い出すので、本当は話したくない。
東京のA氏(富屋食堂の鳥浜とめさんのお孫さん)が「若い人たちが是非聞きたいというから」と手紙をくれたので引き受けた。
家族も反対する。今日も「忘年会」と言って出てきた。
・戦争は駄目。戦争は絶対やらないで欲しい。
・あの人たちは、本当に清らかだった。

などなど。

一部、
「特攻隊は片道燃料」、「日本軍が韓国や中国で言葉を奪ったりひどいことをした」など、一部戦後教育による誤った知識や伝聞による誤りも散見されたが、それは彼女の存在していた年齢・立場としてやむをえないことと思う。

ところで、
「Kさんと話していると、本当の自分の“おばあちゃん”と話している気になります」
と言ったところ、Kさん、微妙な表情に。そういえばご自身のことを「おばさん」と呼んでおられた。失敗した。

1900
一旦お話が終了し、ビデオ撮影終了。その後、食事が運ばれてくる。食事を取りながら、ひきつづき質疑応答。
正直食事には期待していなかったのだが、これが驚くほど美味。薩摩揚げ、刺身、ごはん、皆うまい。

「皆あまり飲まんとやね?」
という質問に、「ええ、まあ」とMacが答える。どの面さげて・・・。
Kさん、井川氏が独身であることを気にかけている様子。

2000
食事を終え、Kさんへ渡邉代表より感謝のプレゼントを渡す。ひざ掛けなど。「こんなことされたら」と辞退されていたが、最後は受け取っていただいた。皆でKさんを囲んで記念撮影。

「体に気をつけなさい」
「こんな若者と会えてよかった」
「頼みましたよ。託しましたよ」
と繰り返し、帰路につくKさん。
本当にありがたい。
熊野氏・Macが車で送っていく。

2010〜
一階座敷にてそのまま生ビールを注文して飲み。
Kさんを送った熊野氏・Macが帰還。「お土産があります」と二人。明日の「海ゆかば」斉唱にKさんが同行してくださるとのこと。

そのまま座敷で飲む。話題は、渡邉隊長が、なぜかかる体調不良に陥っているのかについて。Macよりジェスチャー交えた詳細なる説明あり。「救急車中での会話」「人型のゲロ」「金網へのアタック」「池袋民家軒先での目覚め」「土曜日の健康診断への同席」などなど・・・・それはひどい・・・・。

2130〜
座敷がクローズになるため、二階に場所を移す。
部屋割りは、201号室(渡邉氏・仲村氏)、203号室(井川氏・Mac・柿沼氏・橋口)、205号室(熊野氏・N氏・田沼氏)。最も声が漏れにくいと思われる、205号室に集合。風呂に入っていなかった人々がまず風呂を浴びる。

〜0200
部屋で焼酎を飲み、薩摩揚げなどをつまみながら、語る。Kさんのお話について。「戦争はいけない」という言葉の受け止め方について、戦争体験とは何かということについて、空襲・原爆投下といったジェノサイドと戦地における戦争との違いについて、などなど。

やがて話題は、日本を中国の脅威から守るために何が必要かという話になり、柿沼氏の決意表明になり、、、、各位の小学校・中学校時代のヤンチャの話になり、、、(以下略)。

気が着いたら0200.最後に「海ゆかば」を斉唱し、解散となる。N氏が、「渡邉さん一言」と振ったところ、渡邉氏より極めて重要な一喝あり。

「我々を英霊は喜んでいただいているでしょうか?「おお、よく来た」と言っていただいているでしょうか?私はそうは思えません。馬鹿話をして笑うのも楽しいですが、東京で話せることは東京でやりませんか。ここは知覧です。今我々が立っているこの土地から英霊が飛び立って行かれたんです。このままの空気で明日を迎えるべきではないと思います。心を清めて明日を迎えませんか」

すべておっしゃるとおり。痛切に反省する。

「これからどうされますか?」と渡邉氏。
明日を睡眠不足で迎えてはならじ、と思った私は「寝ます」と即答。それで各自がそれぞれの部屋で明日に備えて語り、考えることとして、お開きとなった。

0210
部屋に戻って、やはり、特攻観音に参ろうと服を着こんでいると、渡邉氏が部屋に登場。「行きますか」と一言。全員で深夜の知覧へと出ていくこととなる。

0220〜
勝手口より外へ。星空が信じられないほどに美しい。時折流れ星が流れる。英霊が見た星空かくのごとしかと思う。ゆっくりと、平和会館脇にあるグラウンドへと向かう。当時の知覧基地の正門近く。格納庫などがあったあたりにあるグラウンド。

外野の芝生にて、皆で輪になる。渡邉氏より一言。
「67年前の今。我々の先輩たちは何をしていたか分かりますか?大東亜戦争の開戦の日。今まさにこの瞬間。二世代前の先輩たちは、太平洋上にある空母の上にいました。」

皆でその事実に思いを馳せる。轟々たるエンジンの音が聞こえる気がする。通り過ぎる風が、太平洋上の飛行甲板を通る風のように思える。空を見上げる。満点の星空。この空を見上げただろうか。

星空の、宇宙の時間軸の中で、67年間はまるで指呼の間。一瞬である。二世代前の先達と我々は、同じ時間軸の中にいることを思う。
皆で輪になり、手をつなぐ。空を見上げる。
柿沼氏のハーモニカが響く。夜空に流れるハーモニカの調べ。消えそうに震えつつも、しかし、しっかりとした調べ。「歌う政治家」である田沼氏の独唱がそれにつづく。そして9人の斉唱。

  海ゆかば 水漬く屍
  山ゆかば 草むす屍
  大君の 辺にこそ死なめ
  かえり見はせじ

歌声が夜空に溶けていく。67年の時を超えて、つながっている気がたしかにした。

0300
宿に戻り、就寝。長い一日目が終わる。

(二日目につづく)
| 橋口寛 | 日本 | 23:59 | comments(0) | trackbacks(16) |
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