5月10日(金)の夜から5月12日(日)の夜にかけて、「遊識者会議」というイベントを開催した。
少し時間は経過したけれど、あらためてこのイベントのことを振り返ってみたい。
遊識者会議のサイト
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もともと、このイベントは、目崎雅明さん(「
幸福途上国ニッポン」の著者)と荻野淳也さんという二人の仲間がアメリカで行われたあるイベントにインスパイアされて、「こういうイベントを日本でもやろう!」ということで始まったもの。
その後、木戸寛孝さんや、矢野デイビットさんなどなどの、たくさんの愉快な仲間が集まって1年近くをかけてコツコツと企画の準備を積み重ねてきた。
二日間、青山界隈の3つの会場で同時多発的に開催したイベントは合計18。
・民間パートナーシップで月に探査ローバーを送るプロジェクトについて
・ディズニーで初の同性婚をやった女性
・芸歴20年のAV男優の語るセックス論
・世界有数のフレンチシェフの料理論
・ソーシャルデザインについて
・世界最後の資本主義フロンティアであるアフリカについて
などなどなど・・・いずれも本当に聞きごたえのある内容だった。
私自身も、月探査の袴田さんのセッションと、AV男優のトニー大木さんのセッションのインタビュアーをさせていただき、本当に考えること・学ぶところが多かった。
延べ500人前後の方が参加いただいたが、皆さん本当に満足度が高かったようで、たくさんの嬉しい言葉をいただいた。
日本に生きる我々は、好むと好まざるにかかわらず、日々社会の同調圧力を受けている。
気が付いたら何となく周囲に合わせてしまう。
子供たちは「ちゃんとしなさい」と言われて育つ。
でも「ちゃんと」って言う意味が何であるかは明確に定義できていない。
実際のところ、周囲に合わせることかもしれないし、失敗しないように余計なことは何もしないといったぞっとするようなことなのかもしれない。
「多様性」「ダイバーシティ」という言葉が言われるようになって久しいが、実際のところ自分が多様な人生を受け入れる準備をどれだけできているだろうか。
例えば自分の子供が、安定した高給の職を投げ打って、月にロケットを飛ばしたいと言ったら?AV男優になったら?うん、それはさすがにハードルが高いけれど。
世界は中央集権ではもはや成り立たない。
ハイアラーキーな構造での指揮命令ですべてを統治するのは不可能だ。
もっと自律分散化した、ネットワーク状の、パートナーシップスタイルの在り方へと変わっていくはずだ。
私がそれを本に書いたのは2006年の春だった。
それから、時代は確かにその方向へと進んでいる。
それなのに我々はまだ同調圧力に屈し、
ちゃんとしなければならないと思い、
均質な在り方を求め、
ユニークなチャレンジを称賛するよりもむしろ失敗を罰している。
そのままでいいはずはない。
遊識者会議は、世界を真に多様性溢れる生き方に溢れる場にするためのひとつのチャレンジだった。
遊びながら、ユーモアのフレイバーをまぶしながら、極めて真面目に考えた三日間だった。
皆、最後はくたくたに疲れ切っていたけれど、最高に楽しい三日間だった。
きっと来年も、やる。